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現金贈与で失敗しないために

2014.07.01

相続税は来年から増税となり、不安を感じている方からのご相談も増えています。節税に関する関心も高まり、ご自分でお子さんやお孫さんに毎年110万円前後の現金贈与を続けている方も多いようです。

簡単にできて、続ければ節税効果も高い現金贈与ですが、場合によっては贈与と認められず、相続財産として課税されるケースもありますので注意が必要です。

 

最近でも東京地裁で現金贈与を入金していた相続人名義の預金が、被相続人(亡くなった方)の相続財産と判断されています。

せっかく現金贈与を続けていても、相続税の調査があったときに、贈与の事実が認められないと、相続税を追加で納めなければならない事態にもなりかねません。今回はそうならないためのポイントをお伝えします。

 

①贈与契約書の作成

贈与はあげる側ともらう側との契約です。「現金贈与の事実や贈与していた預金口座の存在を、もらう側のお子さんなどが知らなかった。」なんていうのは問題外ですが、客観的に贈与の事実がわかるように契約書を作成することをお勧めします。

 

②口座の管理はもらった側の本人にさせること

贈与するお金を入金する口座の開設、通帳や印鑑の管理などは、特にもらう側が成人している場合などは、本人にさせておかないと「実質は贈与していない。」つまり相続人の財産とみなされる可能性があります。

 

③一度贈与したお金を自分で使わないこと

「贈与しても子供は大事に預金していて、毎年100万円でもう1千万円も貯まっている。自宅のリフォーム資金でちょっと使わせてもらおう..」というのは問題です。東京地裁の例でも贈与口座を解約した資金で贈与した人が自分の不動産を買っていたことが問題視されました。

 

その他、間違ってもすでに贈与しているお金について遺言書に「子供名義でためておいたこの口座は誰々に…」など書かないように気を付けましょう。

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太田 圭子
税理士法人田﨑・太田事務所
税理士

大事な家族を亡くしてから10カ月という期間で申告しなければならない相続税。改正により今後相続税の申告をしなければならない人は増える見込みです。相続税は生前の対策、遺産分割の方法、そして財産の評価方法によって大きく税金が変わってきます。そして相続は相続税だけではなく、財産を相続した人のその後の所得税や消費税、そして無くなった方が法人経営者だった場合などには法人税にも大きく影響を及ぼします。専門家として相続にまつわる税金の悩みを解決するのが私の仕事です。不安を感じている方からお話を聞いて最善の解決策を御提案できれば幸いです。メールマガジンではできるだけ専門用語を使わずわかりやすくて身近な税に関する情報を記事にしていこうと思います。